ゼミ卒業研究
医療機器管理
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【高橋ゼミ】
【超音波の特徴】
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人間の可聴音域は約20~20,000Hzといわれ、一般にこれより高い音で、人が聞くことを目的としない音を超音波と呼びます。
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診断用の超音波には、約1~20(30)MHz程度の周波数が用いられています。
<周波数が高くなるほど示す性質>
①波長が短くなる
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音波の波長(λ)、伝搬速度(c)、周波数(F)の間には「λ=c/F」の関係があります。
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現在使用されている超音波画像診断装置の伝搬速度は秒速1,530mに統一されています。
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また、伝搬速度は媒質の硬さに依存しています。
②分解能がよくなる
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距離分解能 Δx=nλ/2 (距離分解能Δx、波数n、波長λ)
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方位分解能 Δy=1.22λ/Dx (方位分解能Δy、波長λ、振動子の直径D、距離x)
の2つの式より、周波数が高い(波長が短い)と、分離して表示できる2点間の距離が短くなるため、分解能がよくなります。
③透過性が悪くなる
④深部まで届かなくなる
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減衰量=減衰係数×通過距離×周波数 の式より、周波数が高くなることに比例して減衰量が大きくなるため、透過性は悪くなり深部まで到達できなくなります。
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また、減衰係数は媒質によって異なります。
⑤指向性がよくなる
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sinθ=1.22λ/D (指方角θ、波長λ、振動子の直径D) の式より、周波数が高い(波長が短い)とsinθの角度が小さくなるので、超音波ビームはあまり拡がらずに進みます。そのため、指向性がよくなります。
【超音波画像診断装置の特徴】
<ドプラ法とは>
血液の流れの状態(速度、方向など)を知る方法のことです。
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ドプラ法の種類
①パルスドプラ法
血流速度の測定ができます(速い血流はNG)。血流測定したい部位の領域(サンプリングボリューム)を設定して、その領域を通過する血流速度を波形として表示します。
深度、周波数、血流速度には制限があり、これを超えると折り返し現象(エイリアシング)を起こすので測定できません。
②連続波ドプラ法
高速血流速度の測定ができます。ただし、血流の存在部位の同定はできません。得られた高速血流速度の圧較差は、簡易ベルヌーイ式(ΔP=4V²)で求められます。
連続波ドプラ法 内頚動脈
連続波ドプラ法 外頚動脈
③カラードプラ法
サンプリングボリューム内の血流速を色や明暗で表示します。
・流速が探触子に近づく→赤
・流速が探触子から遠ざかる→青
・流れが分散している→緑
・流速が早い→明
・流速が遅い→暗
④パワードプラ法
ドプラ信号のパワー情報を表示するものです。カラードプラ法と違い、ビームと直交する血流も表示できます。また、低血流速度の検出感度も高いというメリットはありますが、動きによるアーチファクトの影響を受けやすいというデメリットもあります。
<モードについて>
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Aモード
送信した超音波が反射してくるまでの時間(反射源までの深さに相当)を横軸に、反射波の強さを縦軸に表示する方法です。現在ではほとんど使われていません。
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Bモード
超音波断層像として広く用いられています。反射波の強さを明暗によってリアルタイムに表示します。
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Mモード
動きのある反射源の時間的変化をとらえるのに優れています。1本のビーム上の輝度の位置変化を、横軸に時間をとって表示します。
<装置の調整について>
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ゲイン
画面の明るさを調整できます。受信する反射波の電圧の増幅度を変えることによって調整します。ゲインを高くすると画面が明るくなり、低くすると暗くなります。
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STC
反射源との距離(深度)によってゲインを調整できます。超音波が生体を伝播すると減衰が起こり、浅い部分の感度は高く、深い部分では低くなってしまいます。これが一定になるように深部ごとにゲインを設定できるようになっています。
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ダイナミックレンジ
コントラストを調整できます。ダイナミックレンジを広くとるとコントラストの少ない画像になり、狭くとるとコントラストのはっきりとした画像になります。
<プローブについて>
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コンベックス
主に腹部全般に用いられます。
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リニア
主に頸動脈や中心動脈など浅い領域を観察するのに適しています。
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セクタ
主に心臓領域の観察に適しています。
↓プローブの写真
↑視野範囲
<アーチファクト>
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サイドロープ
横に伸びたような白い線が特徴です。振動子の副極(サイドロープ)より送信された超音波が反射すると、主極からの反射と誤認して表示してしまうことが原因です。
生理機能検査学P376写真Ⅴ-4より抜粋
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多重反射
反射源と探触子の間を超音波が何回も反射することで起こる現象です。胆嚢におけるコメットエコーも多重反射の一種です。コメットエコーはつらら状の高エコーが特徴です。
生理機能検査学P378写真Ⅴ-5より抜粋
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音響陰影
超音波を強く反射する反射源や吸収する媒質があると、その後方へは超音波が届かず黒い影をつくるのが特徴です。結石や骨、腸管ガス、肺などが原因となります。
生理機能検査学P379写真Ⅴ-6より抜粋
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側方陰影
腫瘤内と周囲臓器の音速の違いにより、腫瘤の辺縁部に屈折が起こります。腫瘤内の音速がより速い場合、外側に屈折が起きて辺縁部に黒い影が生じるのが特徴です。
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後方エコー増強
周囲組織と比べて減衰の非常に少ない媒質を通過すると、その後方は明るく表示されます。それが後方エコー増強です。
生理機能検査学P379写真Ⅴ-7より抜粋
【臨床工学分野では…】
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透析の現場でシャントを行う際に用いられることがあります。